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イラナ・ハルペリンによる別府リサーチ報告 ART & SCIENCE RESEARCH PROJECT: GEOLOGIC INTIMACY by ILANA HALPERIN

2014年3月25日、platform01にて、別府に3週間滞在し、リサーチをしていたイラナ・ヘルペリンさんによるトークが行われました。そこで、もっと彼女の活動のことが知りたい!写真を見せて欲しい、という希望が沢山出ました。簡単ではありますが、別府での彼女の活動をご紹介します。
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イラナ・ハルプリンさんは3月6日に別府に到着し、約3週間、platform05に滞在しました。

アメリカ人で、現在スコットランド在住の彼女は、アメリカとスコットランドで地学とアートの領域をまたいだ活動をしており、以前から別府の地熱活動に関心をもっていたそうです。
20年前、道で売っていた一冊の火山の本。そこに掲載されていた別府の写真ー血の池地獄、卵を地獄(源泉の噴き出し口)で蒸す子ども、鉄輪の家々の間から立ち上る湯煙ーに出会った時からこの街に魅了され、「いつか絶対行くんだ」と、強く思ったのだとか。

In March 2014, the American artist Ilana Halperin stayed in platform05 residence space for a 3 week residence in Beppu. Living in Scotland, Ilana Halperin has developed a practice halfway between the art's field and the geo-science's field. 


別府では、様々な温泉のリサーチを行ないました。まず鉄輪と明礬で、写真、映像、スケッチによる記録を行ない、さらには、滞在中に作った木と竹による作品を温泉に浸し、温泉の鉱物による変化を見るための実験を行ないました。


In Beppu (Japan), Ilana explored two famous hotspring areas (Kannawa and Myouban) where she made observations, took photos and video recordings and wrote sketches. 
Then, she started initiating experiments  in the hot-spring areas where she put wooden and bamboo sculptures (made in Beppu!) to obtain a mineral formation on the sculptures.

pix.jpg小さな頃から、石や火山に強く魅かれ、ミネラル成分が沈殿し石が出来上がって行く過程を利用して作品を作っている彼女。これまでも鍾乳洞や世界各地の火山、そのふもとの温泉などで、作品を制作してきました。


別府では市内各地の5カ所の温泉で、温泉のミネラル成分が、木や竹でできたオブジェをどのように覆ってゆくのか、という実験を行いました。今回は期間が短く、なかなか石までにはなりませんでしたが、木片に色がついたり、キラキラ光る鉱物成分が浸透していたり、様々な変化が見られます。

本当にたくさんの人に手助けやアドバイスをいただきました。ありがとうございます。彼女も別府の人々の優しさに触れ、喜んでいました。(実験をさせていただいた場所:明礬温泉さん、閣温泉さん、やなぎや温泉さん、砂原温泉さん、ひょうたん温泉さん).

Ilana Halperin has conducted experiments of mineral encrustation on wood or bamboo sculptures in five different hotsprings in Beppu (hotspring in nature in Myouban, Kaku hotspring, Yanagiya hotspring, Suna Hara hotspring and Hyoutan hotspring).


myo2.jpeg

明礬温泉
Myouban hotspring


kaku.jpg

温泉閣で
Kaku hotspring

yanagiya.jpeg

やなぎや温泉
Yanagiya hotspring


suna46.jpg

砂原温泉
Suna Hara hotspring

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bamb.JPG

別府に来る前に、イラナさんは木でできたオブジェ(ミネラル成分付着用の立体物)をBEPPU PROJECT事務所に送ってくれていたのですが、滞在期間が始まってから、別府でよく使われている竹を素材にすることを決めました。竹は熱に強く、耐久性もあると考えてのことです。

別府の竹工芸作家にもアドバイスをもらいました。

イラナさんによって作られた竹のオブジェはとても美しく、温泉のお湯の中では木よりも長持ちすることがわかりました。
木の場合も竹の場合もそうですが、形は自然の中にある植物ーゆらゆらと、次第に広がったり成長していったりするようなものーを意識して作られているとのこと。
ワカメや昆布が近いイメージにようです。

In her first days in Beppu, Ilana decided to change the material of her sculptures into bamboo since it is a material very popular in Japan and especially in Beppu.

She received advices from a bamboo craftman based in Beppu to make some sculptures.

It turned out that bamboo can make beautiful shapes and is more resistent than wood into water with a very high temperature.

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institute.jpg別府にある京都大学地球熱学研究施設も訪ねました。 ここでは地質学、水質学の専門家が日々研究を続けています。

To document more her research in Beppu, Ilana visited the Geo-Science institute - dept from Kyoto University in Beppu.

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little.JPG
イラナさんは別府での調査をとても楽しんでいました。なんといっても憧れの別府!「毎日が夢みたいだった」と彼女は言います。そして、「また絶対に帰ってくるわ」と。

Ilana enjoyed a lot her research in Beppu. She collected a lot of informations and special souvenirs!

9.JPG

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イラナさんが戻って来るとき、今ひょうたん温泉の源泉につかっている作品はどう変化しているのでしょうか。

Now she plans to come back to realize a series of artworks specially conceived for the hotsprings of Beppu. 

She will also come back to check the only artwork that still remain under the flow of Hyoutan hotspring and see the transformation...


hyo3.jpeg



「ひょうたん温泉の湯雨竹」
(作品はは温泉の湯に長期間さらされます。彼女が次に別府を訪れるまでなので、期間はまだ決まっていません。)
Hyoutan hotspring (bamboo cooling system)
(The artwork is meant to remain for an unlimited duration under the constant flow of the hotspring)



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