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BEPPU ART AWARD 2012グランプリ展

業概要

既存の芸術領域を拡張し、独創的で挑戦的な作品」をテーマに作品を公募したBEPPU ART AWARD 2012。
登録者数110名、応募総数67件の中から、グランプリに決定した加瀬 才子氏のグランプリ受賞展を開催します。
BEPPU ART AWARD 2012 グランプリ展覧会「Life-time Project」
「Life-time Project」は、生あるものの死にゆく運命をテーマに制作を続ける加瀬氏の現在進行中の作品です。自身の手足の爪や毎年末に剃り落とす髪、火葬後に集められる遺骨を主な素材とし、自らの死後に催される展覧会が、この作品の完成形となります。
生と死はすべての生き物に共通する基本的な事実であり、死はすべての命に平等に訪れます。本作品はそれを肯定的に捉え、一人間の生涯を通じ、生きる事や死ぬ事を問いかけ続けます。

会期2012年9月29日~10月21日
場所platform02
参加アーティスト加瀬才子

<加瀬才子 Saiko T. Kase プロフィール>

日本で経済学を学んで金融関係に就職後、シカゴ美術館付属美術大学大学院(SAIC)で全額奨学金を支給され、修士号取得。現代美術に触れ、絶大な衝撃を受ける。全く異なる老若男女が作品を通して繋がる姿から、今後の人類の営みに希望を見いだした。土、髪、種などを使い、パフォーマンス、インスタレーション、ドローイングを中心に活動。生涯をかけ、決して答えが出ないであろう「生きる事」「死ぬ事」を問いかける作品を制作し続ける。

 

<審査員のコメント>

審査委員長

芹沢高志(P3 art and environment 統括ディレクター/別府現代芸術フェスティバル2012「混浴温泉世界」総合ディレクター)

自分自身の一生を表現の対象に選んだいさぎよさ!

 

菅章(大分市美術館 館長)

「Life-time Project」は、作者の死生観を明快に提示し、生涯にわたって展開するスケールの大きな作品である。プライベートなステージから、厳密な手続で身体性を介在させ、鑑賞者との関係を築きながら、生や死という普遍的な問題に踏み込んでいる。

 

住友文彦(キュレーター)

このアワードが目指すスケールに相応しい作品だと思う。作者自身が完成作を見られない、つまり自らの「生」を対象にしている。それは表象の不可能性という問題と向き合う点でも非常に興味深い。

 

曽我部 昌史(建築家、神奈川大学教授、みかんぐみ共同主宰)

作家本人が天命を全うした後にようやく完成をみる、人間の身体や生命に向き合う厳粛なプロジェクト。日本では、初公開です。湯を通して、身体や生命に日常的にふれあっている別府。このマッチングは偶然ではありえません。