栗林は、自然と人間、国と国など、さまざまな「境界」をテーマに、見えないものを可視化する体験型のインスタレーションを国内外で発表しています。近年は2022年の『ドクメンタ15』(※1) に日本人として唯一公式に参加する(※2) など、いま最も注目されるアーティストの1人です。
今回は栗林がかねてより構想していたという、植物園型の新作『植物元気炉 (仮題)』を別府市鉄輪の大谷公園に設置します。公開は3月31日からを予定、3月8日より作品内部に植える植物を募集します。
この作品は、市民のみなさまと共に作り育てていく作品です。市制100周年を迎える別府市の次の100年に向けて、末長く市民のみなさまに愛され心の拠り所となることを目指します。
(※1)…ドイツのカッセルで5年に1度開催される、世界最大級の現代アートの祭典『ドクメンタ』の第15回目
(※2)…Cinema Caravan and Takashi Kuribayashi として参加
【事業概要】
事業名称|[ALTERNATIVE-STATE #3] 植物元気炉 (仮題)
アーティスト|栗林 隆
作品名|植物元気炉 (仮題)
設置場所|大谷公園 (別府市御幸652)
プロジェクト開始日|2024年3月8日(金)
公開日|2024年3月31日(日) (予定)
鑑賞時間|随時
料 金|無料
主 催|混浴温泉世界実行委員会
ディレクター|山出淳也 (Yamaide Art Office 株式会社 代表取締役)
別府市制100周年記念事業
助成|文化庁、公益財団法人 全国税理士共栄会文化財団、一般財団法人 大分放送文化・スポーツ振興財団
協賛|株式会社 別大興産、全日本空輸 株式会社、株式会社 大分銀行、鬼塚電気工事 株式会社、DABURA.m 株式会社、JR九州ビルマネジメント 株式会社、大分県立芸術文化短期大学、株式会社 関屋リゾート、山の上デザイン 株式会社、株式会社 トキハ 別府店、大分瓦斯株式会社、社会福祉法人 大分県福祉会、大分みらい信用金庫、南光物産 株式会社、弁護士法人 アゴラ、公益財団法人 大分県芸術文化スポーツ振興財団、大分県信用組合 別府支店、株式会社 佐伯コミュニケーションズ、志村製材 有限会社、一般社団法人 別府市観光協会、すえつぐ動物病院、ひょうたん温泉、一般社団法人 別府市薬剤師会、別府大学 教授 安松みゆき
(2024年2月26日時点)
【アーティストについて】
栗林 隆 / Kuribayashi Takashi
1968年、長崎県出身。東西統合後間もない1993年よりドイツに滞在。その頃か
ら「境界」をテーマに、ドローイング、インスタレーション、映像など多様なメデ
ィアを用いた作品を発表。現在は日本とインドネシアを往復しながら国際的に活動
し、さまざまな展覧会に招聘されている。
2022年にドイツのカッセルで開催された『ドクメンタ15』(Cinema Caravan
and Takashi Kuribayashi として参加) では、作品『out of the mosquito
net (蚊帳の外)』を拠点に会期中にさまざまなイベントをおこなった。その際に発
表した『元気炉四号基』が評価され、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。
https://www.takashikuribayashi.com/
[アーティスト・メッセージ]
私は今までにたくさんのプロジェク立ちあげ、制作、そして行動してきた。
そのなかに、
植物園のプロジェクトがあり、未だに実現したことがなかった。
植物園、
なんて素敵な響きだろう。
人々はなぜ、植物園に惹かれ、そして足を運ぶのか。
簡単な話である。
それは、みなさんの心のなかに、自分の小さな庭があるからである。
その庭は、みなさんが自分で耕し、水をあげ、育ててあげなければ、素敵な花も咲かせないし、緑豊かにもならない。
日にもあててあげないといけないし、声もかけてあげないといけない。
すべての人は、素敵な自分の庭を心のなかに持っているのである。
だから人は植物園に心を踊らされるのだ。
その自分のなかの庭から、何か1つだけ植物を持って来てもらい、多くの仲間たちや、まだ出会っていない人たち、これから出会う人たちと、素敵な植物園を作りあげていく。
私は『植物元気炉』という箱を作るだけなのである。
それはすべての人たちの庭から、植物たちを、心の庭からは、水やりや、思いやり、気遣いなど、素敵でポジティブなエネルギーを持ち寄ってもらうことで稼働する、
不思議で素敵な植物園なのである。
今回、大谷公園の隅にできあがる不思議な形をした植物園は、
みなさんと、みなさんの心と共に育ち、訪れた人たちを元気にする、
素敵で新しい空間なのである。
栗林 隆
【作品・プロジェクトについて】
作品名| 植物元気炉
本作は2020年以降、栗林が「アートを通して元気に、健康に」というコンセプトのもと国内外で発表してきた『元気炉』(※3) から派生した作品です。ここ別府では、ガラスと木材で構成された高さ約4メートル、幅約5.5メートルの植物園型の作品として、初めて制作されます。
「私は『植物元気炉』という箱を作るだけ」とアーティスト自身が言うように、このプロジェクトは市民のみなさまから植物をお寄せいただくことから始まります。植物を通して人々が集い交わり、この場所や、まだ見ぬ誰か、あるいは自分自身を大切にする気持ちを持ち寄ることで、ポジティブなエネルギーが満ち『植物元気炉』はいきいきと稼働するのです。訪れた人を元気にしていくという本作の鑑賞体験は、古来よりさまざまな人を迎え入れ、自然の恵みによって心身ともに癒してきた鉄輪の歴史とも重なります。
(※3)…『元気炉』とは、人々の体にポジティブなエネルギーを充満させる、薬草スチームを用いた体験型の作品。原子炉の形を模しており、3・11以降福島でのリサーチを重ねてきた栗林が、2020年11月に富山県の下山芸術の森 発電所美術館にて初号基を発表。現在、常設や移動式、1人用などさまざまな形式の『元気炉』が六号基まで存在する。
アーティストによる作品プラン
大谷公園(作品設置場所)
■ 市民のみなさまから植物を集めます!
プロジェクトの始まりとして、本作品の内部に植える植物を市民のみなさまから募集します。ご協力いただいた方は、『ALTERNATIVE-STATE』の公式Webサイトなどにお名前を掲載させていただくほか、オリジナルグッズを進呈します。みなさまのご協力をお待ちしております。 詳細はこちらのページよりご確認ください。
日 時|2024年3月8日(金)、10日(日) 両日ともに13:00~17:00
※上記時間帯にて、いつでも受け付けます
会 場|大谷公園 (別府市御幸652)
※駐車場には限りがございます
[参考:過去作品]
Trees, 2015年
大谷元気炉二号基, 2021年
Mountain Range, 2022年
伊吹の樹, 2019年
out of the mosquito net, 2022年
【『ALTERNATIVE-STATE』とは】
『ALTERNATIVE-STATE』は、2022年10月より大分県別府市で展開されている「世界を異なる形で再生させる旅の入口」をコンセプトにしたアートプロジェクトです。 将来が期待される若手から国際的な巨匠まで、半年ごとに1組のアーティストを招聘し、4年間で8つの作品を制作します。
■これまでの作品
[ALTERNATIVE-STATE #1] Onsenbouquet
アーティスト|マイケル・リン
作品名|温泉花束 (Onsenbouquet)
設置場所|ブルーバード会館 西側壁面
井上デンキセンター 新宮通り側壁面 ほか
Watertower 10: Beppu City, 2023
アーティスト|トム・フルーイン
作品名|Watertower 10: BeppuCity, 2023
(ウォータータワー10:別府市、2023)
設置場所|北浜公園
鑑賞時間|随時 (夜間点灯は日没~23:00)
[ALTERNATIVE-STATE #8] Les Anges de Beppu
アーティスト|サルキス
作品名|Les Anges de Beppu (別府の天使)
設置場所|アマネクイン別府 屋上看板
鑑賞時間|日没~23:00
【お問い合わせ先】
混浴温泉世界実行委員会 事務局 (NPO法人 BEPPU PROJECT内) 担当:村田、久保、ピングルトン
〒874-0933 大分県別府市野口元町2-35 菅建材ビル2階
TEL:0977-22-3560 FAX:0977-75-7012 E-MAIL:info@alternative-state.com