昭和3年に運行を開始した「地獄めぐり遊覧バス」では、日本初の女性バスガイドが七五調で別府の名所を案内していたそうです。本展では竹瓦温泉の館内各所に、別府に根付く七五調のリズムを拝借した「8つの水をめぐる、個人的でささやかな詩」が展示されています。地図を片手に詩をたどり、いろいろな発見をしてみてください。
【会期】11月21日(木)ー12月6日(金)
【会場】竹瓦温泉 (別府市元町16-23)
\\アーティストが会場にやってくる! //
会期中はほぼ毎日、アーティストが公開制作やワークショップ、グッズ販売などをおこないます。
日によって時間や内容が異なるので、Instagramをチェックしてください。
【アーティストコメント】
かつて楠港が別府の海の玄関口であった時代から、竹瓦温泉はたくさんの人々の心身を癒してきました。
昭和3年、別府観光の父と呼ばれる油屋熊八は、”旅人を懇ろにする”アイデアのひとつとして、日本初の女性バスガイドを乗せた「地獄めぐり遊覧バス」の運行を始めました。バスの中では少女車掌が高らかに「七五調ガイド」と呼ばれる調子で別府各地の名所を案内し、旅で訪れる人々の耳に残る名物となりました。
海、川、そして温泉の恩恵を受けながら育まれてきた別府の歴史と、わたし (たち) の暮らし。
今回、別府に根付く七五調のリズムを拝借し、8つの水をめぐる個人的でささやかな詩をつくりました。
温泉に入りに訪れる人たちにも、ここが港であること、港にはさまざまな物語が生まれてきたこと。
そんなことを思い出してもらえるとうれしいなと思います。
鑑賞を目的に来てくださった方や「何かある」と気づいてくださった方には、鑑賞を導くための地図 (作品配置図) を配布します。
旅の道すがら、竹瓦温泉とその近くをゆっくり歩き、いろいろな発見をしてみてください。
山脇益美プロフィール
詩人。1989年、京都生まれ、別府在住。自分が出会う人生のさまざまな場面と、心と体の内外にあらわれる感情、その存在の予感や跡から思い出されるもの。これらが噛み合った瞬間を「絶景」と捉え、詩のかけらを拾ったりとりこぼしたりしながら、絶 (緊張) と景 (緩和) のあいだを探求する日々。近年の活動に、詩集『朝見に行くよ』、ワークショップ、温泉の番台、まちあるきガイドなど。京都造形芸術大学 (現・京都芸術大学) 文芸表現学科卒業。