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『廣川玉枝 in BEPPU』 開催

BEPPU PROJECT | 2021.7.7

混浴温泉世界実行委員会(大分県別府市)は、個展形式の芸術祭『廣川玉枝 in BEPPU』を2021年11月20日(土)から2022年1月23日(日)まで、別府市内各所およびオンラインで開催します。

『in BEPPU』は、毎年、国際的に活躍する1組のアーティストを別府に招聘し、地域性を活かしたアートプロジェクトを実現する個展形式の芸術祭で、今年で6回目を迎えます。2016年は目、2017年は西野 達、2018年はアニッシュ・カプーア、2019年は関口 光太郎、2020年は梅田哲也を招聘しました。

6回目を迎える本年は、最も旬なファッションデザイナーとして国際的に評価され、伝統工芸や工業デザインなど多様な分野とのコラボレーションでも注目を集める廣川玉枝を招聘。これまでファッションやデザインの領域で活躍してきた廣川が、別府で新境地を拓く作品制作に挑戦します。

廣川はファッションを「第二の皮膚」と捉え、それを身につけた人が本来持っているエネルギーを引き出す作品を発表してきました。その表現は人体のみにとどまらず、車や空間など、さまざまなものに「装い」を施すことによって、そのものの根源的な美しさや力強さを具象化し続けています。

『廣川玉枝 in BEPPU』では、「祭」をテーマにしたプロジェクトを展開します。

「祭」とは、生命の循環を営む自然のエネルギーや神々、そして祖先に感謝や祈りを捧げる行為です。廣川は、「祭」を人類が芸術を生み出す根源であるとし、その設えや装いは土地の風土や民族性を表象するものと捉えています。

今回のプロジェクトは、3つの祭を軸に構成されます。廣川がデザインを手がける衣装を纏ったダンサーや市民による舞や祭の開催に加え、会期中は別府の風土から着想を得たオリジナルの柄を用い、町のある風景に「装い」を施す大規模なインスタレーションを実施。人類の希望の結晶である「祭」によって、大地のエネルギーに感謝し、ここ別府から祈りを捧げます。

新型コロナウイルス感染症の収束が長引き、観光地・別府は未だ大きな影響を受け続けています。本展の開催が、さまざまな困難を乗り越えるため活力となることを願っています

 

 

『廣川玉枝 in BEPPU』開催概要

  • 会期:2021年11月20日(土)~2022年1月23日(日)
    ※毎週火曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月28日~1月6日)休み
  • 会場:別府市内各所およびオンライン
  • 主催:混浴温泉世界実行委員会
  • 総合プロデューサー:山出淳也 (特定非営利活動法人 BEPPU PROJECT)
  • 特設サイト:https://inbeppu.com

 

招聘アーティスト

廣川玉枝 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ファッション、グラフィック、サウンド、ビジュアルデザインを手掛ける『SOMA DESIGN』を設立。同時にブランド『SOMARTA』を立ち上げ東京コレクションに参加。第25回毎日ファッション大賞新人賞・資生堂奨励賞受賞。単独個展『廣川玉枝展 身体の系譜』の他Canon『NEOREAL』展、 TOYOTA 『iQ×SOMARTA MICROCOSMOS』展、 YAMAHA MOTOR DESIGN 『02Gen-Taurs』など企業コラボレーション作品を多数手がける。2017年SOMARTAのシグネチャーアイテム“Skin Series”がMoMAに収蔵され話題を呼ぶ。2018年『WIRED Audi INNOVATION AWARD』を受賞。

  

 

アーティストコメント

『祭』

別府とは、豊かな自然そのものであり、また豊かな人々そのものである。

豊後国の風土記にも記述がある別府は、高温の蒸気や熱湯が大地から噴出し、地嶽と呼ばれる自然現象がいたるところで垣間見ることができる。そのエネルギーをもとに、豊かな温泉地が開かれ、太古から人々の身体を癒し、再生する魔力を持つ地だとされていた。山々や海に囲まれた、その湯源の豊かさは、様々な地から訪れる旅人を受け入れ、多様な文化を生み出す礎となった。噴煙沸き立つ幻想的な、この地に集まる人々は、天然の美しい色彩を生み出す湯源を前に、自然への驚異や畏怖と共に、大地に豊かさをもたらす神秘の力を肌で感じたに違いない。

別府という唯一無二の場を創造した大いなる自然と、今はこの世にいない私たちの祖先の魂が、連鎖する鎖のように繋がり、はるか遠い未来まで記憶を運んでくれる。万物に癒しを与え続け、死と再生を繰り返し、日々生命の循環を営んでいる自然のエネルギーに感謝を捧げ、あめつちの神々に豊穣を祈る。私たちの祖先が自然を崇拝し、未来永劫続けてきたこの風習をまつりと呼び、人類が芸術を生み出す源となった。まつりとは、人々が自然と対峙して育む情熱の象化であり、希望の結晶である。

in BEPPU 2021では、この前向きなエネルギーをもとに、別府という大地に佇む神々や祖先に感謝と祈りを捧げ、人類が太古から培ってきた自然との関係性を可視化し、体現できるものにしたい。

 

 

<過去作品紹介>

『Skin Series』 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

撮影: SINYA KEITA(ROLLUP studio.) ©︎SOMA DESIGN

ジタル技術に基づく無縫製ニットの手法を用いて、第二の皮膚を目指して作られた、廣川玉枝が手がけるブランド『SOMARTA』を象徴するプロダクト。米VOGUE編集長のアナ・ウィンターや、歌手のレディー・ガガなど、多くの著名人からも注目されている

 

 

『ASURA』 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

撮影: Takeshi Fukui(SOMA DESIGN) ©︎SOMA DESIGN

デジタル技術を用いた「デジタルクチュール」作品の1つ。

3Dプリンターによって雛形原型を作り、仮想空間で彫刻作業をおこなった。骨格となる構造を着ることによって新たな身体のフォルムや機能を手に入れられる、身体拡張服のプロトタイプ。

 

 

『The Secret Garden』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

©︎SOMA DESIGN

高精細・高画質カメラ、プリンターなどキャノンの技術を用いたインスタレーション作品。壁面にはキャノンの最新大判プリント技術を用いた“Skin Series”をプリントし、同シリーズを纏ったマネキン、オブジェ、スキンチェアーを展示した。どこまでも続くスキンガーデンの世界と、その衣装を身に纏う花園の住人たちを表現した。

 

 

 

【同時期開催】

梅田哲也『O滞』 再公開

2020年度「梅田哲也 イン 別府」で公開された作品『O滞』を、新たな作品体験を提供する書籍の出版 (発行元:NPO法人 BEPPU PROJECT/発行日:2021年10月予定) とあわせて再公開します。今年度はアフターコロナを見据え、日英両言語で体験できる作品を公開します。

  • 会期:2021年11月20日(土)~2022年1月23日(日)
  • 会場:別府ブルーバード会館・別府市内各所、およびオンライン 
  • 料金:無料
  • 主催:混浴温泉世界実行委員会   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Photo by Yuko AMANO

 

 

市民文化祭『ベップ・アート・マンス 2021』

『ベップ・アート・マンス』は別府市内で開催される、誰もが参加できる市民文化祭です。2010年から始まり、今年で12回目を迎えます。昨年はオンラインを活用した企画も募集し、県外や海外からの参加も含め、合計87組による107プログラムの登録がありました。プログラムは現在募集中で、7月15日(木)まで募集いたします。

  • 会期:2021年11月20日(土)~2022年1月23日(日)
  • 会場:別府市内各所およびオンライン
  • 時間・料金:プログラムにより異なる
  • 主催:混浴温泉世界実行委員会

 

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