
三宅 感 オープンスタジオの様子/撮影:久保貴史




アーティスト・イン・レジデンス『transition2』
事業概要
『transition2』は、今年度より新たに始めた中堅アーティストを対象としたアーティスト・イン・レジデンスです。中堅アーティストに対し、2回のべ約90日間の滞在機会、制作スタジオ、興味関心にあわせた適切なコーディネートを提供。また2名のメンターが伴走者となり、活動プランやアイデアについて随時アドバイスをおこないました。これらのサポートにより、アーティストが思考や制作に集中できる環境を整え、別府での滞在が、招聘アーティストにとって世界に羽ばたく重要な契機となることを願い開催しました。
メンターは、これまで10年以上継続的に別府に通い続けている美術評論家の椹木野衣と美術家の中﨑 透。今、別府での滞在機会の提供が最適だと思われるアーティストを推薦いただき、BEPPU PROJECTとの協議を経て、岩根 愛と三宅 感を招聘しました。
滞在終盤には、制作現場を公開するオープンスタジオのほか、メンターとアーティストによるトークイベント、ガイドツアーも開催しました。
| 招聘アーティスト | 岩根 愛 (写真家・アーティスト) 三宅 感 (アーティスト) |
|---|---|
| メンター | 椹木野衣 (美術評論家)、中﨑 透 (美術家) |
| 滞在期間 | 岩根 愛 2025.12.4 – 25/2026.1.8 – 3.18 (92日間) 三宅 感 2025.11.18 – 12.25/2026.1.19 – 3.18 (97日間) |
| 主 催 | NPO法人 BEPPU PROJECT |
| 助 成 | 文化庁文化芸術振興費補助金 (舞台芸術等総合支援事業 (芸術家等人材育成)) |独立行政法人日本芸術文化振興会 |
招聘アーティスト
岩根 愛 IWANE Ai
滞在期間:2025年12月4日~25日/2026年1月8日~3月18日
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東京都出身。カリフォルニアのペトロリアハイスクールにて、オフグリッド、自給自足の暮らしの中で学び、1996年より写真家として活動を始める。2006年よりハワイにおける日本文化に関心を深め、2011年以降は福島とアメリカをつなぐ移民史をテーマに取材を続けている。写真集『KIPUKA』(青幻舎、2018年) は、第44回木村伊兵衛写真賞、第44回伊奈信男賞、2022年Prix Pictet Japan Awardなどを受賞。また、ドキュメンタリー映画『盆唄』(中江裕司監督作品、2019年テレコムスタッフ) を企画、アソシエイト・プロデューサーを務めるなど、活動は多岐にわたる。精力的なフィールドワークをベースに、無形文化や自然伝承を紐解いて、写真および映像作品を制作、発表している。アルル国際写真フェスティバル2024、東京都写真美術館、ホノルル美術館、金沢21世紀美術館、KYOTOGRAPHIE 2022、福島県立博物館、中国・大理国際写真展など国内外で作品を発表。アジアンカルチュアルカウンシル2022グランティ。近年の作品集に『Coho Come Home』(bookshop M, 2024)、『A NEW RIVER』(bookshop M, 2022)、著作『キプカへの旅』(太田出版, 2019)、『ハワイ島のボンダンス』(福音館書店,2016) など。
三宅 感 MIYAKE Kan
滞在期間:2025年11月18日~12月25日/2026年1月19日~3月18日
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photo by Osamu Nakamura
高崎市出身。2006年多摩美術大学彫刻学科卒業。多摩美術大学彫刻学科 非常勤講師。
紙粘土と発泡スチロールで巨大壁画を制作し、2016年に岡本太郎賞大賞を受賞。その他、彫刻、絵画、絵本、仮装、映像、パフォーマンス等、表現方法は多岐に渡る。近年参加した展覧会に、「越後妻有MonET連続企画展 Vol.7 三宅感『無色の人 春』」(リ・キュレーション・椹木野衣、越後妻有里山現代美術館MonET、2025)、『妙義エンナーレ!』(富岡市立妙義ふるさと美術館、2022, 2025)、「River to River 川のほとりのアートフェス『失われた顔面を求めて』」(前橋市、2021) など多数。
メンター
椹木野衣 SAWARAGI Noi (美術評論家)
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photo by RyuheiFujita
1962年、山間の秩父に生まれ、京都の同志社で哲学を専攻。のち東京に拠点を移し、1991年に最初の評論集『シミュレーショニズム』(増補版ちくま学芸文庫) を刊行。主著の『日本・現代・美術』(ちくま学芸文庫) と『戦争と万博』(講談社学芸文庫) が昨年の夏に新たに文庫化された。ほかに『後美術論』(第25回吉田秀和賞)『震美術論』(第68回芸術選奨文部科学大臣賞)など多数。最新刊に『末世の芸術 来たるべき無人類のために』(いずれも美術出版社)。企画・監修した展覧会に『日本ゼロ年』(水戸芸術館)、『平成美術』(京都市美術館) などがある。
中﨑 透 NAKAZAKI Tohru (美術家)
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1976年茨城生まれ。美術家。言葉やイメージといった共通認識の中に生じるズレをテーマに自然体でゆるやかな手法を使って、看板をモチーフとした作品をはじめ、パフォーマンス、映像、インスタレーションなど、形式を特定せず制作を展開している。2006年末より『Nadegata Instant Party』を結成し、ユニットとしても活動。2007年末より『遊戯室 (中﨑透+遠藤水城)」を設立し、運営に携わる (~2021)。2011年より『プロジェクトFUKUSHIMA!』に参加、主に美術部門のディレクションを担当。令和4年度 (第73回) 芸術選奨新人賞 (美術部門) 受賞。
滞在中のプログラム
オープンスタジオ
アーティストの制作現場を公開するオープンスタジオを開催。
日 時:2026年3月7日(土)、8日(日)、14日(土)、15日(日) 13:00 ~ 17:00
場 所:三宅 感 BEPPU STUDIO 01(別府市楠町14-2 財前ビル1階)
岩根 愛 BEPPU STUDIO 03(別府市松原町10-24 マンション 一番1階)
井上デンキセンター地下 (別府市元町4-13)
ガイドツアー
アーティストと本企画ディレクターが、各スタジオを案内。また、まちなかで同時期に開催されている展覧会などもあわせて巡りました。
ガイド:家入健生 (BEPPU PROJECT ディレクター)
日 時:2026年3月8日(日)14:30~16:30
場 所:中心市街地各所(徒歩で移動)※集合場所は別府駅東口を予定
トークイベント
滞在中の活動やオープンスタジオ、アーティストの制作と地域、そしてその支援のあり方についてなど、アーティストとメンターによるトークイベントを開催した。
登 壇:岩根 愛、三宅 感、椹木野衣、中﨑 透
進 行:家入健生 (BEPPU PROJECT ディレクター)
日 時:2026年3月8日(日)17:30~19:30
場 所:HAJIMARI LOUNGE(別府市千代町5-1 HAJIMARI Beppu1階)

