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NPO法人鳥の劇場「公共の劇場をさがして 鳥の劇場4年目の経過報告」中島さんの報告

中島涼人さんは鳥取県鳥取市出身で現在鳥の劇場の演出家・主宰を務めています。
この「鳥の劇場」というのは団体と場所を指すということです。
今回、この中島さんの講演会がPlatform1にて行われました。


中島さんは今芸術関係でよく言われるのが「公共性」であるといいます。
元気な人・絵や本に興味のない人も、病院や美術館、図書館の必要性は感じます。
「では、劇場はどうだろうか?」という思いから鳥の劇場の活動は始まりました。
ヨーロッパでは、劇場は上記の美術館や図書館と同じように人々から求められる
位置にあり、日本でもそのような文化を目指しているということでした。

鳥の劇場は廃校になった小学校と幼稚園を劇場などとして活用しています。
客席のひな壇含め改装はすべて鳥の劇場の皆さんで行われました。
この小学校と幼稚園の活用には二つの理由があります。
まず、一つ目として体育館の天井の高さは劇場に欠かせないということ、
二つ目に幼稚園の遊戯室は~100人入るスペースがあるということが重要だそうです。
他の場所から考えても2つの上映スペースがあるということは珍しく大変ありがたい
環境であるといいます。

鳥の劇場の皆さんは役者だけをやっている人は一人もおらず、役者をやりながら広報を
担当するなど、限られた人手の中皆でこなしているそうです。

当初の街の人々の反応は「変な人たちがきた」という感じで作品よりも急にきた人間に
興味を持っている様子だったそうです。
また、子どもの教育のためにという事で、親子で来るという形が増えてきたそうです。
そして、徐々に認知度は高くなっていったということでした。

中島さんは、芸術活動がどう地域に貢献できるのかということを考えるそうです。鳥の
劇場第二回演劇祭のテーマは「からだでもっとかんじる・その場でもっとかんじる」で
した。このテーマには演劇だけでなく、その地域を味わってもらいたいという思いが込
められていました。中島さんは、現代や未来に対する貢献を目指した活動を今後も行っ
ていきたいと述べていました。

講演会での
「なぜ敢えて都市ではなく、4400人の街なのか」
「場所があったから」ということと、例えばおいしいそば屋があったなら、人は「おい
しい」というだけで2、3時間かけてでも行く。場所の距離はそんなに関係ない。また、
演劇人口は元々低い比率であり、比率としては何処の地域であっても同じである。

「白雪姫という誰もが知っている物語の公演で約500人観客が増加したことについて」
「演劇は難しい」というイメージが少し壊れたことが要因で、演劇と観客のボーダーが
少し低くなったのではないかと考える。このことをきっかけにボーダーをなるべくなく
す事について考えるようになった。

「準備期間はどれくらいか」
一作品で1~2か月である。

「地方では高齢化も進んでおり、高齢者のパワーというものを感じると思うのですが、
そのパワーを活動に活かしているようなことはありますか」
ボランティアは現在約50~60名であるがやはり30代など若い人が多いというのが
現状である。しかし、NHKの番組で活動が放映されてからは中年代の方々も多くなって
きた。シニアの方々についての努力はまだ行っていないが劇場が持つ機能の一つである
「体験・記憶を共有する場」としてお年寄りの役割は大きいと感じている。その事で現
在計画しているのが、高齢者の生の声と芝居を組み合わせる「戦争の記憶」についての
演劇や、デイサービスなど高齢者施設に赴いて共に芝居を制作するということがある。


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