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混浴温泉世界2012へ


いよいよ、明日11月3日(水・祝)から7日(日)にかけて「混浴温泉世界シンポジウム2010」が始まる。


このシンポジウムは、様々な立場の講師=プレゼンターによって、文化を軸に現代の都市について考えるためのプレゼンテーションを連日開催し、それを受けて来場者全員とこの地域を考え、さらに今後2012に開催される「混浴温泉世界」のコンセプトの下地づくりをオープンな場で行おうとする企画である。

「混浴温泉世界」は、市民主導型の芸術フェスティバルで、昨年2009年が第一回目の開催であった。
今後、3年ごとに開催する予定であるが、この場所で我々は何を行うべきなのか皆さんと共に改めて考えていきたい。

一昨日、10月31日(日)に瀬戸内国際芸術祭と愛知トリエンナーレが閉幕した。
共に鑑賞させていただいたのだが、特に瀬戸内国際芸術祭については、計画初期段階から総合ディレクターの北川フラム氏より構想をお聞きしていたこともあり、個人的にも思い入れがある。
会期中、オープニングと国際シンポジウム「地域の未来をアートがひらく」へのディスカッサントとしての参加、そして今回の閉会式への参加と合計3度足を運ぶことになったが、芸術祭そのものが成長していく様を客観的な立場で経験することが出来、とても有意義だった。
来場者それぞれ、90万人と50万人を越え、大きくメディアにも取り上げられ、大成功に終わっている。
もちろん、それぞれに課題はあるだろう。
一部インターネット上ではやっかみ半分の批判も見て取れる。

今から20年前、自分が作家活動を始めた頃、日本にはビエンナーレやトリエンナーレのような継続的な国際現代美術祭はなかった。
それがいまや、上記の二つはもちろん、横浜、新潟、他の小都市でもビエンナーレやトリエンナーレが開催されている。しかも、自分自身もそれらと比較して小規模ながら主催者側に廻り奮闘するとは夢にも思わなかった。このような、どこもかしこもアートによるまちづくりを行うような状況は考えてもなかった。
多分、今はそのピークにある。

今後、必ずこの現象はしっかりと検証されるだろうから、そのことについてここで書くつもりはないが、間違いなく多くのまちづくり系アートイベントはほとんど淘汰されるだろう。
誰もが分かっていることではあるが、アートイベントはまちづくりの解決にはならない。
アートがもたらすことは最大公約数的な解決ではない。むしろ個人の奥底に向かっていくもので、それらの体験は個々人によって異なる。もしくは、異なっていることが最大の価値といっても良いのだと思っている。
つまり、誰にでも同様な何らかの体験をもたらすのがアートの本質ではなく、誰にでも公平にそこに存在するが誰とも違う体験や思いが生まれる場そのものがアートであると言うこと。

そのためには、アートの強度、誤解を恐れずに言えば「質」が伴わなければならない。

瀬戸内国際芸術祭の豊島美術館。
西沢立衛と内藤礼によるあの空間。
どのような場、地域、手法においても豊島美術館の緊張感、狂気を越えることが出来ているのか?

もう一度、原点に立ち返って明日からのシンポジウムに真剣に臨みたいし、一人でも多くの方とその場を共有したい。

アートの力と可能性を信じよう。

山出淳也

コメント(1)

  • あべりあ | 2010-11-2

    この現象がしっかり検証されるのであれば、、、、   しっかりやれることは、やろう!(フラムさんのブログ引用)
    「質」はアートにばかり頼っていてはいけないべー、自らも、自らの「質」にも問い続けよう、、。
    本当に、しよう!
    本物に、しよう!
    みんなとねー!

    キャー!!!!やるわよー!!!!!

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